損益分岐点比率を正しく計算して経営改善に役立てるための実践ガイド

損益分岐点を計算してみたものの、その結果をどのように評価すればよいのか迷っていませんか。損益分岐点の金額だけでは、自社の経営状態がよいのか悪いのかを客観的に判断することは難しいものです。そこで活用したいのが損益分岐点比率という指標になります。損益分岐点比率を理解することで、売上がどれだけ減少しても赤字にならないかという経営の安全度を数値で把握できるようになります。

ここでは損益分岐点比率の基本的な考え方から、実務で使える2つの計算方法、そして比率を改善するための具体的なアプローチまでを順を追って解説していきます。

損益分岐点比率とは何か収益性を測る指標としての基本を解説

損益分岐点比率とは何か収益性を測る指標としての基本を解説

損益分岐点を計算したものの、その数値をどのように評価すればよいのか判断に迷う経営企画担当者は少なくありません。損益分岐点の金額だけでは、自社の経営状態がよいのか悪いのかを客観的に把握することが難しいためです。そこで活用したいのが「損益分岐点比率」という指標になります。

損益分岐点比率とは、実際の売上高に対して損益分岐点売上高がどの程度の割合を占めているかを示す収益性の指標です。この比率を見ることで、現在の売上高が損益分岐点をどれだけ上回っているか、つまり「赤字への抵抗力」がどの程度あるかを数値で把握できます。

損益分岐点比率が示す経営の安全度

損益分岐点比率は、数値が低ければ低いほど経営状態が良好であることを意味します。たとえば損益分岐点比率が80%の会社であれば、売上高が20%減少しても赤字にはなりません。一方で98%の会社は、売上高がわずか2%減少しただけで赤字に転落してしまいます。このように損益分岐点比率を確認することで、景気変動や市場環境の変化に対する耐性を客観的に評価できます。

収益性との深い関係

損益分岐点比率は「固定費÷粗利益額×100」という計算式でも求められます。稼いだ粗利益のうち何%を固定費に使っているかという収益構造を表しており、比率が低いほど収益性が高い状態といえます。売上高経常利益率などは業種によって適正値が異なりますが、損益分岐点比率は業種を問わず同じ基準で評価できる利点があります。

経営判断に活用するための視点

損益分岐点比率を経営改善に活かすには、計算して終わりにするのではなく、毎月の定点観測を行うことが大切です。比率の推移を追うことで、経営がよい方向に向かっているのか悪化傾向にあるのかを早期に察知できます。自社の損益分岐点比率がどの水準にあるのかを把握したうえで目標値を設定することで、具体的な改善施策を検討しやすくなります。

損益分岐点比率の計算方法と実務で使える2つの計算式

損益分岐点比率の計算方法と実務で使える2つの計算式

損益分岐点比率を正しく計算するためには、まず費用を「変動費」と「固定費」に分類する準備が必要です。この分類ができていれば、損益分岐点比率は比較的シンプルな計算式で求められます。

計算に必要な事前準備

損益分岐点比率を計算する前に、決算書や試算表に記載されている費用を変動費と固定費に分類する作業を行います。

変動費に該当する項目

変動費とは、売上や販売数量に連動して増減する費用のことです。具体的には材料費、商品仕入高、外注加工費の3つが該当します。売上が増えれば増加し、売上が減れば減少するという特徴を持っています。

固定費に該当する項目

固定費とは、売上の増減にかかわらず一定額が発生する費用です。人件費や役員報酬、地代家賃、減価償却費、広告宣伝費などが含まれます。売上がゼロであっても支払いが発生する費用と考えるとわかりやすいでしょう。

2つの計算式とその使い分け

損益分岐点比率には2つの計算方法があり、どちらを使っても同じ結果になります。ただし活用する場面によって使いやすさが異なりますので、目的に応じて選択してください。

固定費÷粗利益額×100

粗利益額は売上高から変動費を差し引いた金額で求められます。固定費と粗利益の関係が明確になるため、コスト構造の見直しや利益計画を立てる際に活用しやすい方法です。

損益分岐点売上高÷実際の売上高×100

すでに損益分岐点売上高を算出している場合は、この計算式を使うとすぐに損益分岐点比率を求められます。現在の売上高と損益分岐点売上高の位置関係を把握したいときに便利な方法です。

計算結果の活用ポイント

算出した損益分岐点比率は、売上高が何%減少すると赤字に転落するかを示しています。経営企画担当者としては、この比率をどこまで下げるべきかという目標設定を行い、具体的な改善施策の検討につなげていくことが求められます。

損益分岐点比率を改善するための3つの具体的なアプローチ

損益分岐点比率が目安よりも高い場合は、経営状況を改善するための対策を検討する必要があります。損益分岐点比率を下げる方法は大きく分けて3つあり、自社の状況に合わせて最適なアプローチを選択することが大切です。

固定費を削減する

損益分岐点比率の改善において、最も効果が表れやすいのが固定費の削減です。固定費は売上の増減にかかわらず一定額が発生するため、この部分を低くすれば費用全体の引き下げにつながります。

具体的な削減項目

固定費削減の対象となる項目には、オフィスや店舗の家賃、水道光熱費、保険料などがあります。オフィスの移転や縮小、電力会社の見直し、不要なサブスクリプションサービスの解約といった施策が考えられます。

削減時の注意点

ただし、固定費の中には会社の成長に必要な投資も含まれています。人件費や広告宣伝費を過度に削減すると、売上獲得の機会を失う可能性があるため慎重に判断してください。

変動費を削減する

変動費の削減も損益分岐点比率を下げる有効な方法です。変動費が下がると粗利益額が増加するため、損益分岐点比率の改善につながります。

具体的な削減項目

変動費を削減するには、仕入先との価格交渉やより安価な仕入先への切り替えが有効です。製造プロセスの効率化や歩留まりの改善、外注費の見直しも効果的でしょう。

削減時の注意点

変動費、とくに材料費や外注費を過度に抑えると、商品やサービスの品質低下を招くリスクがあります。コストと品質のバランスを見極めながら進める必要があります。

売上高を増加させる

損益分岐点比率の計算式において、分母となるのは実際の売上高です。そのため売上高が増加すれば、損益分岐点比率は自然と低下します。

具体的な施策

売上高を増加させるには、販売単価の引き上げや販売数量の拡大が考えられます。新規顧客の獲得や既存顧客のリピート率向上も効果的です。

増加時の注意点

売上を増やすためには広告宣伝費や人件費などの費用が発生することも考えられます。費用対効果を意識しながら、効率よく売上を伸ばしていく工夫が必要です。

損益分岐点比率を活用した経営改善は専門家への相談が近道

損益分岐点比率は、会社の収益性と安全性を同時に把握できる経営指標です。計算式を理解して定期的にモニタリングすることで経営判断の精度を高められます。比率が高い場合は固定費の削減、変動費の見直し、売上高の増加という3つのアプローチから改善策を検討することが求められますが、どの施策を優先すべきかは会社ごとの状況によって異なります。

私たちは、財務コンサルティング実績150社超、経営改善率90%以上という豊富な経験を持ち、損益分岐点比率の改善をはじめとした財務体質の強化を伴走支援しています。会計から財務、証券、保険まで幅広い金融知識を持つお金のスペシャリストとして、キャッシュフロー経営の実現に向けた具体的な打ち手まで一緒に考えます。損益分岐点比率を計算したものの次に何をすべきかわからない、黒字化に向けた道筋を明確にしたいとお考えの経営者様は、まずはお気軽にご相談ください。

徳島で損益分岐点比率分析の依頼なら株式会社四国経営へ

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